帰国七年と青年海外協力隊の虚像という本について

2012年桜 今日も一日疲れたと終電間際の電車で帰る。座席に座っていたら途中から乗ってきた二十代らしき男二人組が何やらエクアドルの話をしている。聞いていると片方がエクアドル隊員OBのようだ。コレア大統領と言っていたので私より後の隊次だろう。珍しいし声をかけてみるかとタイミングを見計らっていたら彼の仕事の話になり、仕事をしたら負けという言葉を聞いて話しかける気をなくした。色々と現地であったのかもしれないが諦めたら終わりだろう。どうも任期短縮した感じではないし、任期満了まで遊んで暮らした奴とはあまり話す気が起きん。

 これは帰国七年を迎える一週間前にあった出来事。隊員をやっていた頃よりも自分では人間的に丸くなったと思うのだが、まだまだ角が取れていないのかと苦笑い。ふとエクアドルの隊員連絡所で読んだ青年海外協力隊の虚像という本を思い出した。

3月にJOCV同期と飲んだ その本は中米に派遣されていたシステムエンジニアの女性が書いた本で訓練時代から現地での出来事、そして任期短縮して帰るまでの出来事がかなり主観的に綴られていた。訓練については私の時と比べてかなり厳しい印象でこういう本があったから緩くなったのかもしれないと思いつつ読み、現地での話についてはこういう状況ってありえると思いつつ読んだ記憶がある。ただ、作者はそれぞれの事象についてもっと前向きな捉え方もあったのではないかと思った。

 その本は帰国して数年経ち、自分の中で色々と整理するだけの時間があってから書かれているにも関わらず怨嗟にも近い感情が感じられた。帰国当時の彼女の状況はどんなに酷いものだったのだろうか、それを思うと気の毒になった。

スカイツリー開業までの日数をヘッドマークにした特急スペーシア その後、家で調べたところ彼女は帰国後七年経って本を書いたことを知る。俺の残っている角も彼女に比べりゃかわいいもんかな。

 たまにしか更新しないので近況も少し。仕事は以前転職した会社から変わっていない。今年の二月で勤続四年を迎え最長勤続記録を更新中。相変わらず労働時間は長く、忙しい。しかも今年から部下のいないなんちゃって管理職になってしまったので今までより厳しくなるかも。旅はぼちぼち。一昨年はインドネシア、去年はトルコとギリシアへ行った。今年は休みが取れそうに無いので国内をふらふらすることになりそう。国際協力関連は相変わらず縁なし。もっと貯金ができて、今まで通り気ままな立場でい続けたなら、また青年海外協力隊かシニア海外ボランティアに行くのもいいかなとぼんやりと思っている。

 写真上:2012年に撮った桜。
 写真中:3月に同期隊員3人と会って飲んだ。一人は訓練終了してから初めて会った(9年ぶり)!
 写真下:2012年7月のスカイツリー開業までの日数をヘッドマークにした特急スペーシア

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